クールな社長の溺甘プロポーズ
「そうか。ありがとな、星乃」
「信じて、くれるの?」
「もちろんだ」
彼の腕の中で顔をあげると、こちらを見つめるその目はとても優しく細められている。
「俺は星乃の選択を間違いだとも思わないし、星乃が会いたいと思ってくれていたことがとても嬉しい」
「嬉しい……?」
「あぁ。それに、これまでの男と一緒にされるのは心外だ。俺は会いたいと思ったら待たない。どれほどの距離だって越えて、会いにくる」
唇から発せられる言葉も真っ直ぐで、この心にしっかりと響く。
それまで我慢していた涙が、ほんの少しだけ、こらえきれずにまつげを濡らした。
「……ありがとう、大倉さん」
小さな私の声に、彼は今までで一番嬉しそうに、目尻を下げて微笑む。
その優しい表情に、胸はしっかりと、はっきりと、強いときめきを感じた。