クールな社長の溺甘プロポーズ



それから、いつものようにオフィスへ向かい、慌ただしく仕事に取り掛かった。



早く、明日にならないかな。

大倉さんに、会いたい。

そう思うとそわそわして、落ち着かなくなる。だけど、その感情が嬉しいようにも感じられている。





それから1日半ほどが経った、翌日の昼。

ひと仕事を終えお昼ごはんにしようか、としていたところでスマートフォンがヴー、と震えた。



電話……誰だろ。

見れば、画面には【着信 お父さん】の文字が表示されている。



お父さん?なんの用だろう。

お父さんからの電話は、以前のこともあるし嫌な予感しかしないけど。

そう思いながら通話ボタンをタップして電話に出た。



「もしもし?」

『おお、星乃。今昼休みか?』

「ちょうど入ろうとしてたところ。なにか用?」



余計な話をすることなくたずねる私に、お父さんは『つれないなぁ』と言いながら本題へ入る。



『どうだ、佑とは上手くやってるか?』

「……別に。普通」



以前のように強く拒む言い方をしないあたりから、なにかを察したらしい。お父さんが嬉しそうに笑う声が聞こえた。


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