クールな社長の溺甘プロポーズ



「なにかあったか?」

「え?」

「お前が素直に謝るなんて珍しすぎ。体調でも悪いのか?」



それはそれで失礼な気が……。ムッとした顔で答える。



「別に元気ですけど。私にだって素直に謝る時くらいあります」



そんな私の返事に、米田さんはなにかを察したように「へぇ」と頷いた。



「なぁ、澤口。今夜飯行こうぜ」

「ごはん、ですか?」

「あぁ。話聞きながら美味い肉食わせてやるから、仕事もうひと頑張りしろ」



そう言って、私の背中をバシッと叩く。

きっと米田さんなりに元気付けようとしてくれているのだろう。



その優しさが、折れかけた心に少し沁みた。






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