クールな社長の溺甘プロポーズ
「星乃が、好きだよ。あの頃からずっと、真っ直ぐな星乃の言葉が俺の希望だった」
それは、嘘偽りのない言葉。
誰の為でもない、彼自身の想い。
「だから、俺と結婚してほしい」
心にじんわりと伝わるそのひと言の温かさに、堪えていた涙が溢れて頬を伝った。
「……はい、喜んで」
笑って頷いた私に、大倉さんは精一杯の力を込めてぎゅっと私を抱きしめた。
恋人を飛び越えての、プロポーズ。
だけど頷けてしまうのは、その心が今までで一番近くに感じられるから。
どんな私も受け入れて、抱きしめてくれる。
時々わかりづらい、だけど優しいあなた。
そんなあなただから、手を取り歩きたいと思うんだ。
時には涙を見せて、時には怒って、笑って過ごしていくのだろう。
そんな未来を胸に描きながら、ふたりきり、静かな夜の街の片隅でそっとキスをした。
end.