クールな社長の溺甘プロポーズ
翌日の夜。
仕事を終えた私たち部署のメンバー全員は、品川駅近くにある居酒屋にいた。
今日は、この時期恒例の社内行事である、居酒屋を貸し切っての納涼会だ。
うちのブランドと米田さんのブランド、そして他にもいくつかのレディースブランドのメンバーが揃いみんな思い思いに食事や会話を楽しんでいる。
「いつもお疲れさまです」
そんな中で私は瓶ビールを手に他のブランドの女性社員にお酌をして回る。
「そんな、先輩にお酌してもらうなんて悪いです」
「いいのいいの、今日は無礼講ってことで」
ふふ、と笑う私に、彼女たちは遠慮がちにグラスを差し出す。
「じゃあ、あの、無礼講ってことで……聞いてもいいですか?」
「ん?なにを?」
仕事のことかな、それともなにかプライベートなこと?
不思議に思い首を傾げると、彼女はグラスをテーブルに置いて私の肩を掴んだ。
「あんなイケメンとどこで出会ったんですか!?どうやって結婚できたんですか!?」
「へ!?」
それを聞きつけて、他の女性たちも「ずるい、私も聞きたい!」と一気にこちらに押し寄せる。