クールな社長の溺甘プロポーズ



「なにをどうやってあんなハイスペックな彼氏射止めたんですか!?教えて!!」

「彼氏さんの友達でフリーの人いませんか!?合コンとかどうですか!?」

「オオクラ自動車の社員紹介してもらえませんか!!?」



みんな、普段から気になっていたのだろう。チャンスだと言わんばかりに息つく間もなく問い詰める。

ぶ、無礼講なんて言うんじゃなかった……!





それからあれこれと質問をされては答えてを繰り返し、数十分。

隙を見て私は酔い覚ましを口実に居酒屋の外へと出た。



お店の外に出れば、目の前はオフィス街から流れてきた人がまばらに行き交う大通り。



「ふぅ、疲れた……」



まさかあんなに問い詰められるとは。

しかも、『どうやって彼を』とか、答えに困るような質問ばかり。



それに今度大倉さんの友達紹介するように頼まれちゃったし……一応ダメもとで大倉さんにも話してみよう。

そう考えながら、ため息が出る。

すると、背後のドアがガラ、と開いた。



「お疲れだな」



その声に振り向けばそこにいたのは米田さんだ。



「米田さんも酔い覚ましですか?」

「それもあるけど。一応女がひとりで外にいるのもどうかと思ってな」



一応って。どういう意味。

ムッとする私を見て、米田さんはいたずらっぽく笑う。そういう言い方をしながらも、気にして追いかけてきてくれたのだろう。


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