クールな社長の溺甘プロポーズ
か、からかわれた。その表情からそう察すると、恥ずかしさに顔がかっと熱くなる。
それを見ていっそうおかしそうに目を細めると、大倉さんはその場を歩き出す。
「また来る。今度はデートでもしような、星乃」
さりげなく名前を呼んでひらひらと手を振る彼に、私はひとり残されたまま。
な、なんなの、それ。
いきなり結婚とか、恩とか、頷かせてみせるとか、わけがわからない。
けれど、自分の態度が彼の闘争心に変に火をつけてしまったのは明らかだった。
事態は突然動き出す。
その状況についていけない、私ひとりを置き去りにして。