クールな社長の溺甘プロポーズ
◆2.罠はいらない
結婚するつもりなんてない。
そう言いながらもやっぱり、いつか、いつの日か私も恋人からプロポーズをされる日がくるかもしれないと夢を見ることもあった。
それは、おしゃれな高級レストランだったり、ふたりきりの海辺だったり。
とっておきの日にムードのある場所で指輪を差し出されるものだと思っていた。
もちろん、最愛の人からということが大前提で。
なのに現実は、会社のロビーで堂々と、しかも初対面の男からのプロポーズだなんて、意味のわからないものだった。