クールな社長の溺甘プロポーズ



「はい?」

『俺だ。大倉だ』



その低い声とともにパッとモニターに映し出されたのは、夢で見たものと同じ顔。

メガネをかけた黒髪のイケメン。大倉佑、と名乗っていたあの人だ。



ということは、つまり夢じゃなかったということ。



「って、なんでここに!?」



思わず大きな声をあげると、それがスピーカーから聞こえたようで、彼はうるさそうに眉間にシワを寄せた。



『朝からでかい声を出すな、うるさい』

「あ、すみません……って、そうじゃなくて!なんで私の家知ってるんですか!?」

『澤口さんが教えてくれた』



驚き問いただす私にも、彼は冷静に答える。

って、お父さん!勝手に家を教えるなんてなにを考えているんだか!



『早く支度して降りてこい。会社まで送る』

「は!?なんで……」

『言っただろ?今度はデートでもしよう、って。せっかくなら朝の貴重な時間をモーニングデートして過ごすのも悪くないだろ』



いたって自然に恋人らしさを感じさせるようなことを言う彼に、やはり昨日の話は夢じゃなかったのだと思い知り、血の気がサーッと引く。

やっぱりこの人、私と結婚するつもりでいるんだ……!



< 24 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop