クールな社長の溺甘プロポーズ
「お、大倉、さん?」
「恋人なら、なにをしようが自由だからな。遠慮なく攻めさせてもらう」
恋人同士、なにをしようが、その言葉たちから想像ついてしまう行為に、顔がぼっと赤くなる。
それを見て大倉さんは私がなにを考えているのか察したのだろう。
「ふっ」と笑うと体を起こして、自分の席へと戻った。
「っ〜……」
完全にこの人のペースだ。悔しい。
自分なりに名案だと思った作戦。だけど実は、相手の手のひらで転がっているだけなのかもしれない。
だけど、絶対結婚なんてしないんだから。
私は、親のための結婚なんてしない!
そんな気合いを表すように、私は彼から距離をとると、グラスの中身をグイッと一気に飲み干した。