クールな社長の溺甘プロポーズ



それも全ては、彼に引かせて結婚話をなかったことにするため。

そのために、私たちはいくつかルールを設けた。



毎日会いにくる、という彼と、毎日は勘弁してほしい私。

ならばと間をとって、一日置きに会うこと。

会う日は朝から迎えに来ること。

夜は極力お互い残業をしないこと。

私の仕事が忙しいときは、仕事を優先しても彼は文句を言わないこと。



まぁ、そんなルールも彼との結婚話がなくなれば関係ないけれど。



それにしても、この時間から迎えにくるどころか部屋にまでくるとは思わなかった。

どれだけ朝早いのよ……。



でも、朝イチのこの油断しきったところに来たのは好都合。

普通の女子なら彼氏には隠しておきたいようなところも見せつけて、ドン引きさせてやるわ!



「もう、朝から来られるの困るんだけど。私まだパジャマだし、スッピンなんだから。ほら、眉毛も半分しかないの!」



まずは、よれた寝間着姿を見せつつスッピンも見せる。

半分しかない眉毛、普段はコンシーラーで隠している目元のクマ、そして寝癖のついたボサボサ頭。

この姿を見て引かないわけがない。



なかなか他人には見せられない姿を、恥も捨て見せつける。

すると大倉さんは案の定まじまじと私の顔を見つめた。


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