クールな社長の溺甘プロポーズ
◆6.一番近く
ときどき、夢に現れる姿がある。
『星乃』
そう笑って私を呼ぶ彼は、茶色い柔らかな髪の、涼しい目をした人。
『星乃は頑張り屋だね』
初めて自分と仕事を認めてくれた彼と、ふたり歩く。
そんな過去の光景に、胸は懐かしさと切なさで溢れる。
そして、目を覚まし現実に戻るたび思うんだ。
あぁ、夢か。
今日も頑張って働こう。
仕事だけは、裏切らないから。