クールな社長の溺甘プロポーズ



そりゃあかわいいけど……いきなりなんなの?

意図がわからず、気持ちをそのままメッセージで送信した。



【かわいいけど、いきなりなに?】

絵文字もない、かわいげのない文だ。それに対し、彼からはまたすぐ返信がくる。



【外出先で見かけて、星乃に見せたくなった】



私に、見せたくなった……。

なにそれ、子供みたい。


だけど、仏頂面で、人目も気にせず水槽の中のウーパールーパーを写真に収める大倉さんを想像すると、不似合いすぎてつい笑ってしまう。

かわいいものを見つけた時に、彼の頭に自分の姿が浮かぶことが、ちょっと嬉しい。

心が、あたたかくなる。



「澤口ー、送ってほしい画像データがあるんだけど……って、なににやけてるの?」

「へ!?い、いえ別に!」

不思議そうに首を傾げた柳原チーフに、自分が無意識ににやけていたことを知って恥ずかしくなってしまう。



会うたび少しずつ近づく距離は、会えない時間もこの心に彼の存在を焼き付ける。

仕事さえあればいい、恋愛なんてもういいやって思っていたはずなのに。

心地よさを、感じている。






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