クールな社長の溺甘プロポーズ
「なに勝手なことしてくれてるのよ……私もしかして、そんなにお酒くさい?」
「匂いは大丈夫だ。けど、たまには息抜きをしてもいいだろ」
大倉さんはそう言って私の頭をポンと撫でる。
それってつまり……私の元気がないことを気にしてくれての提案?
バレバレな作り笑いのことを問い詰めるわけでもなく、気分転換を提案してくれる。
そんな彼の優しさが、また心地いい。
「さて、出かけるから支度してこい。そのうちに俺は空き缶の片付けをしておく」
言いながら近くにあった袋に空き缶を入れていく大倉さんに、私は頷いて身支度をしに寝室へ向かった。
優しい、なぁ。
不思議だ。大倉さんといると、安心感を覚える。
意地になることなく、立ち止まることができるんだ。