私の彼氏は小さい先輩
「香、…大丈夫?」


「うん!もう平気!ありがとう」

凛の心配そうな顔に苦笑しながら、香は言う。


教室に入ってきた香を見た瞬間、凛は慌ててトイレまで連れて行ってくれたのだ。

「泣きはらした顔した親友がいんのに、心配しないほうがおかしいよ?」



「凛ちゃん…」


「で、何があったの?」


凛が問うと、香の表情が一気に暗くなる。


「陸のことを思い出したんだよね…」


「…あぁ…」


凛は困ったように笑って香の手を握る。


「…今日、帰りにカラオケ行こうか!今日授業終わるの早いし」


「え…?」


「ここよりは話しやすいでしょ?」


やわらかく笑った凛に、香はまた目頭が熱くなる。


「うん、…ありがとう」


「いいのいいの!さ、教室戻ろ?」

二人は楽しそうに教室へ向かう。


その様子を、ある人物が見ていた。

「…あの子が…香ちゃん…」







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