私の彼氏は小さい先輩
「やっと終わったぁぁ」


「数学はしんどかったね…」

授業も終わり、掃除時間。

香は机に突っ伏したままため息をつく。


「掃除どこ?」

「生物室」

「…嘘だぁぁ」

香は手足をばたばたさせる。

生物室とは、今香たちがいる校舎ではなく、少し離れた本館にある。

つまり、移動がめんどくさい。


「ほら、さっさと行って終わらせよ?」

凛が苦笑して香に言う。

香は渋々立ち上がった。

と、その時


「香、あんたのこと呼んでる人いるよ」

クラスの一人の女子が香に声をかけた。

「え?私?」

「うん、先輩だと思う。」

「先輩…?」


誰だろう、孝之先輩かな?
そんなことを思いつつ廊下へ出ると、一人の男子が立っていた。

「あ、君が香ちゃん?」

「え」

―――私の名前を知ってる…?

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