恋桜は 咲き誇る 下巻
奏は私から離れて、口を開いた。
「言い忘れてたんだけど。俺、秋とキスしたんだ」

え?
今、なんて。
さっきまでの空気が、重くなる。

「ゴメンな。いきなりで」
きっと真実なんだ。
否定なんて、できっこない。

「ホントなんでしょ。分かってるよ」
分かってる。
だけど。
だけど!

「そ、そんなの妬いちゃうでしょ・・・!やめてよ・・・!」
真っ赤になって、言い切った。
「え?」
奏も、真っ赤。
奏は、どこか、うれしそうだった。
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