永遠の愛を(番外編も完結)
辺り一帯が今の雷で停電になったのだろう。

さっきまで外を薄暗く照らしていた街灯の明かりも消え、本当の真っ暗闇。

雷はまだゴロゴロと唸るように鳴っている。

聞こえる音は雨と雷の音だけで、他にはなんの音も聞こえなかった。

その時、突然後ろから眩しい光に照らされた。

ハッとして振り返ると、

「美麻の叫び声が聞こえた気がしたから…大丈夫か?」

先輩がスマホのライトでこちらを照らして立っていた。

先輩の顔を見たら一気に気が緩んだ…

「大丈…夫…」

そう言って立とうとしたのに、やっぱり腰に力が入らなくてうまく立てなかった。

「もしかして腰抜けたの?」

そう聞かれて

「…そう、みたいです」

そう答えると、先輩は身をかがめて私の前に手を差し出した。
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