永遠の愛を(番外編も完結)
お昼休みの今、私の前の席に座っている唯ちゃんが窓の外の校庭をぼんやりと眺めながらポツリと溢した。


「する…」

「誰、に?」


思わず真顔で聞いてしまった私を見て、真顔だった唯ちゃんが小さくプッと吹き出した。


「慶斗先輩しかいないじゃん。」

「あ…」 確かにそうだ。

「あはは、これだけ好きって毎日言ってて、違う人に告白はないでしょ。美麻ったらボケてんだから。」

「確かにそうだね。ごめんごめん。」


と笑って誤魔化したけど、唯ちゃんが先輩に告白すると聞いたその瞬間、心臓はドクンっと不穏な音を立てていた。

だけどそれは、予想外の言葉だったから。

唯ちゃんが先輩のことを好きなのは知っていたつもりだったのに…

何となく心のどこかで、唯ちゃんのそれは憧れであって恋ではないと思っていた自分がいる事に一番驚いた。
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