永遠の愛を(番外編も完結)
社長が友人として出席される結婚式の担当を自分が任されている。

今初めて知った事実に今まで感じたことのない緊張感に全身が包まれていくようだった。

我が社の社長とは言っても、本社ビルの最上階にいる肩書きが立派な彼らとはほとんど会うことはない。

社内で社長にお会いしたのは、本社で行われた入社式の時くらいだった。

今週も忙しい1週間が終わる。

「お疲れ様でしたー。」

まだ残る同僚に声をかけオフィスを後にした。

外に出ると霧のように細かい雨が降っていた。

雨音が全くしなかったから気づかなかった。

駅まではすぐだから走っていこうと片足を出しかけたその時、誰かに名前を呼ばれた。
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