永遠の愛を(番外編も完結)

見開いた視界の先に見えたのは、近過ぎてよく見えない先輩の顔。

なぜ…？どうして…？

誰が来るかも分からないのに。

もしかしたら、唯ちゃんだって来るかもしれない。

こんなところを見られたら、もう友達でもいられないかもしれないのに。

頭の中ではその事をちゃんと理解できている自分がいたのに。

優しく触れ合うように重ねられた口づけは、近づくときよりも遅い速度でまるでスローモーションのようにゆっくりと離れていく。

少しずつ、少しずつ、目に映る先輩の輪郭がハッキリしてくると、今度はゆっくりと見開かれていく先輩の瞳にとらわれた。

ドクドクと熱い血が体中を駆け巡るのを感じながら彼から目を離せなかった。

現実ではないような不思議な感覚の中にいるようだった。

「美麻…」

私の名前を呼ぶ彼の口角が少しだけ上がると、彼の手が唇から首筋を滑りながら

「ここまで真っ赤」

そう言った。