永遠の愛を(番外編も完結)
肌に触れている先輩の手はひんやりとしているのに、触れられたそこは熱をもってチリチリと焼け焦げていくようだった。

ここがどこだとか、誰かに見られたら困るとか、なぜ先輩とキスをしているのか…とか

頭ではダメでおかしい事だと分かってたのに、唇が触れていたあの瞬間、心と体が感じていたことは全く違う事だった。

体中を駆け巡る熱が体の芯まで届くと、きゅうっと縮まるような不思議な感覚を覚えた。

「幸田…さん?」

その時、不意に背後からかけられたその声に急激に現実に引き戻された。

恐る恐る振り返るとすぐ後ろに立っていたのは

「…岡田…くん」

「…幸田さんの戻りが遅いから気になって来たんだ、けど…」

そう言いながら彼のその目は、先輩に注がれていた。

どこから見られていたのだろう…

直に感じた先輩の手の温もりも今はもう感じない。

その時だった。
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