永遠の愛を(番外編も完結)
「咲ちゃん…」

「えーー!二人って、付き合ってたのー?」

私たちの繋がれた手を見て驚きの声を上げると、今度はニヤニヤと探るような笑顔を向けられた。

「あぁ」

私より、先にそう答えたのは岡田くんだった。

「全然知らなかったー。いつの間に?!」

「まだ最近…だから」

「そうなんだぁ」

興奮しているのか声が大きい。

人の多い境内の真ん中だったので「通行人の邪魔になるよ」と彼氏に促さた咲ちゃんにはそれ以上突っ込まれる事もなく「じゃあまたね。今年もよろしく~。」そう言って彼氏と歩き去った。

元旦の初詣。この街一番の大きな神社だから誰かに会うかもしれない。

予感はあったけど、よりによって噂話が大好きな咲ちゃんに一番に見つかってしまうとは。

先行きが不安になった。
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