永遠の愛を(番外編も完結)
つい数分前までは、明日からの休みに開放的な気分になっていたはずなのに、今は少しだけ心に霧がかかる。

約束の駅で降りると、いつもの場所まで歩いて向かう。

雨はもうすっかり上がっていた。


ーーーーーー


「乾杯」

グラスを軽く合わせて最初の一口を飲むと、久しぶりのアルコールが体にゆっくりと染み渡っていく。

家では飲まない。

一人のお酒は後が寂しくなるから…。

弱くてすぐに眠ってしまえたら、どんなに楽だろう。

飲んでも眠れない一人の長い夜はとても寂しくて…とても耐えられない。

だから私がお酒を飲むのは、一人で眠らなくてもいいこんな夜だけ。
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