永遠の愛を(番外編も完結)
ゆっくりと瞼を伏せながら、その視界から先輩が完全に消えた。

私の中で得体の知れない何かも一緒に消えいくような奇妙な感覚があった。

一気に脱力した私の口腔内に生温かいものが差し込まれた。

離れていく足音がかすかに耳に届いた時、頬を冷たい雫が流れ落ちた。

私は岡田君と付き合っている。

こんなキス、付き合っている二人なら当たり前のことだ。

だから悲しいはずがないのに…どうして涙が出てしまうんだろう。

心と体がバラバラになったような気がした。

そして、この日から先輩に会うことがないまま1月が終わり、3年生は学校に来なくなった。

先輩との距離が開いた分、岡田君との距離は確実に縮んでいく。

だからと言って岡田君の事を恋愛の意味で好きになっていたわけではない。

私は誰の事も好きにはならない。そう決めていたから。
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