永遠の愛を(番外編も完結)
ヨシおばあちゃんは私をその目に移した途端、パッと笑顔になった。

「お帰り、みぃちゃん」

“ お帰り ” いつも言ってくれるその一言は、とても嬉しくて、くすぐったくもあった。

「…ただいま、ヨシおばあちゃん。あとこれ、お土産です。」

照れ臭さを隠すように、手に持つ紙袋を早々に手渡す。

「あらあら、いつもありがとね。」

帰省した時には、必ずヨシおばあちゃんにも会いに『嬉々』に寄る。

ヨシおばあちゃんは、この街で唯一私を待っていてくれる人だから。

店の奥からリビングに通されると、ヨシおばあちゃんがお茶とお菓子を出してくれた。

だけどお盆の上のそれを見て、感じたのは違和感だった。

なぜなら、お盆の上にはなぜか3人分のお茶が乗せられていたから。
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