永遠の愛を(番外編も完結)
どんなに懐かしくても過去には戻れない。

あの頃とは全く変わってしまった今の現実を思い出したら、心が急速に冷えていく。

「ヨシおばあちゃん。私そろそろ電車の時間もあるので…行きますね。」

どこかで感じている名残惜しさを振り払うように腰を上げた私に、隣に座る彼の言葉が飛んできた。

「美麻は明日も休みだろう。」

確かに…私は、明日も休みだ。

だけどなぜそれを彼が知っているのか。

いくら社長とは言え、沢山いる社員一人一人のシフトを把握…は出来ないと思うけど。

「あら、そうなの?みぃちゃん…」

私にそう聞くヨシおばあちゃんの声や表情にも期待の色が浮かぶ。

ヨシおばあちゃんは、今でも変わらず私を本当の孫のように可愛がってくれている。

日帰り帰省ばかりの私に彼女は「ここがみぃちゃんの実家だと思って、いつでも帰って来てくれたら嬉しい。」といつもそんな言葉をかけてくれていた。

だからそんなヨシおばあちゃんに嘘はつけなかった。
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