永遠の愛を(番外編も完結)

夕食のメニューは、ヨシおばあちゃんのリクエストで意外にもラザニアだった。

普段のヨシおばあちゃん一人の食卓には決して並ばなそうなメニューが食卓のテーブルの上に並べられた。

生ハムとオレンジのサラダに、野菜たっぷりのミネストローネも。

「ばあちゃんからのリクエストメニューはいつもこれって決まってるから。」

「慶斗が作ってくれるラザニアは絶品だからね。」

初めて食べた彼の手料理は、ヨシおばあちゃんの言う通りとても美味しかった。

美味しい美味しいと褒める私に「長い一人暮らしのおかげで、いつの間にか料理が得意になっただけ。」と彼は苦笑した。

それに自分の手料理を人に振る舞うのも久しぶりだ、とも。

得意な手料理を食べさせてあげる大切な相手はいないのだろうか。

ふと、そんな無粋な事を考えてしまった。