永遠の愛を(番外編も完結)
「うん、今はいいよ。後でかけ直すから。」

「…そうですか」

見るつもりはなかったけれど、意図せずカーナビの液晶部分に表示された名前が目に入った。

“ 一ノ瀬 礼央 ”

もしかしなくても私のクライアントでもある、あの一ノ瀬様だろう。

その電話は数回鳴った後、あっけなく切れた。

車の速度が急激に落ち外に意識を向けると、正面のETCゲートのレバーが勢いよく上がる瞬間が見えた。

ゆっくりとゲートを通り抜けた車は、今度は二股に別れた左側のレーンに入っていく。



完全に逃げ道が塞がれた事を私はこの直後、思い知ることになる。


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