永遠の愛を(番外編も完結)
私が助手席に乗ったタイミングで彼の携帯が鳴った。

画面を確認した彼は「あれ?珍しいな。」と首を傾げた後「ちょっとだけ待ってて。」と私に言うとその電話に出た。


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「慶斗さん…大丈夫?」

隣で思いつめた表情で運転する彼にそう声をかけた。

先ほどの電話の相手は今もまだ海外に住んでいる彼の母親からで、ヨシおばあちゃんが倒れて救急車で運ばれたことを知らせる内容だった。

そして、今、私達は急いでその病院に向かっている。

高速に乗ったばかりで比較的、道も空いているとはいえ、どんなに急いでも2時間はかかる距離。

すぐに駆けつけられないこの距離がとてももどかしく感じた。
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