永遠の愛を(番外編も完結)
思っていたよりも私の家から近かった慶斗さんのマンションにはすぐに着いた。

運転をしている間も彼の手に握られた自分の手から、どちらのものか分からない鼓動が鳴り響いていた。

始めて入ったのに感動を味わう間も無く、玄関に入ってすぐに慶斗さんに後ろから抱きしめられ、心臓が一瞬、止まりそうになる。

「…美麻」

と耳元で慶斗さんの切なげな声で名前を呼ばれるだけで、頭の芯が蕩けていくほど待てなかったのは私も同じ…

首筋に落とされた彼のキスに、自分の口から甘い声が漏れた。

いつもと違う熱量にどうしようもない程に高鳴る胸は、甘すぎる疼きがもう止まらなかった。
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