永遠の愛を(番外編も完結)
慶斗さんが愛おしそうに私の名を呼び、触れるだけのキスをした。

そして彼はそのまましばらく動かず、私をその腕の中に抱きしめた。

セックスなんて数え切れないほどした。

けれど、私にとってのそれは寂しさや欲を満たすものでしかなかったから。

好きな人と一つになれることが、こんなにも神聖で幸せな行為だということを今、初めて心で感じていた。

そして、その思いを伝えずにはいられなくなる。

「大好き…」

その言葉を皮切りに、彼はそれまでの静寂を破るようにゆっくりと律動を始めた。

最初は恥ずかしくて我慢していた声も、激しくなるほどに抑えられなくなっていく。
< 289 / 362 >

この作品をシェア

pagetop