永遠の愛を(番外編も完結)
とりあえず母の前に座り、まだ立ったままの母にも座ってもらう。

おしぼりを持ってきてくれた店員に、カフェラテと母のコーヒーを追加で注文しその店員が去って行くと、もう一度頭を深く下げた母。

「何度謝っても許される事ではないけど、本当にごめんなさい。酷い母親で本当にごめんなさい…。」

そして顔を上げた母が、揺れる瞳で私を見つめて言った。

「今日は来てくれて…会ってくれて本当にありがとう。」

私が全てをヨシおばあちゃんから聞いた事は、母も既に知っていた。

今はもう母のことを恨んではいない。

ただ、やっぱり本当は寂しかった。

本当は母の温もりをいつもそばで感じていたかった。

「お母さん……に

ずっと、ずっと…会いたかった…」

途中何度も言葉を詰まらせながら、まるで小さな子供のように言ってしまった。

私を見つめる母の目にも、みるみる涙が溜まっていく。
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