永遠の愛を(番外編も完結)
先生にそう言われた川並先輩は何も言わず、ただ慌ただしく車に乗り込む私たちを見送った。

完全に誤解した先生に否定する間も与えてもらえなかったからだろう。

後部座席の半分は、チャイルドシートで埋まっていた。

7,8人は乗れそうな典型的なファミリーカーを運転する先生は、3児の父親でもある。

確か一番上の5歳を筆頭に、3歳、1歳とみんな2歳ずつ離れているらしい。

まだ30歳の先生はとても若く、生徒にも慕われている良い先生。

きっと子供達にとっても良いパパなのだろうと簡単に想像出来た。

ただ少々熱血漢のためか声は無駄に大きいけれど…。

先生の車は、私が子供の頃に憧れていた家族の匂いで溢れていた。

なのに居心地が悪く心が落ち着かないのは、きっと祖母の容態がよく分からない不安のせいだ…。
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