永遠の愛を(番外編も完結)
私がそう答えるとまだ若いその彼女はニコッと微笑み

「幸田さんは今、検査中ですぐにこちらに戻って来られますから、暫くこちらでお待ちくださいね。」

それだけを伝えると、また忙しそうに仕事に戻っていった。

「幸田!あそこで座って待っていよう」

私を送り届けたらすぐに学校に戻ると思っていた先生が私の背中をとんっと軽く押して促した。

一緒に隣に座った先生に聞いた。

「先生、学校には戻らなくていいんですか?」と。

「どんな状況かも分からないのに、お前1人を置いて帰れないだろ。とりあえずお前は何も心配するな。今はおばあさんの事だけ考えてればいいから。」

そう言って先生の大きな手が頭に乗せられた。

一緒に待ってくれる人がいるだけで、今の私には有り難かった。

「すみません…ありがとうございます。」
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