永遠の愛を(番外編も完結)
お兄ちゃんがいたら、こんな感じだろうか…。

お父さん、ではまだ若い先生にはあまりにも可哀想なのでせめて年の離れた兄にしてみた。

でもやっぱりよく分からない。

父も兄弟も私には未知で空想の中の存在でしかない。

先生の車が角を曲がり見えなくなると、途端に一人きりの心細さに襲われた。

でも弱音なんて吐けない。

そんな気持ちを心の奥に閉じ込め、リュックから鍵を取り出し誰もいないシンと静まり返った家に入る。

玄関に入ると、まだほんのりお線香の香りが鼻を掠めた。

それが余計に寂しさを誘う。
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