隣にいてもいいですか?








「それじゃあ、先…行くね。」






「…」






返事も返ってこなくて、ものすごく切なくなりながら、家を出て歩き始めた。






隣を通り過ぎる、幸せいっぱいのカップル。



『美琴、大好きだよ!』


『私だって、俊のこと大好きだもん!
…んーーーまっ♡』






キス付きで。






あたしのファーストキスはそんなに愛のこもったものじゃなかった。



ほんと、


大空にとってあたしってなんなんだろ。





性欲があった?


性処理か?


性衝動か?






きっと、好きなんて気持ち、大空にはない。






こんな苦しい朝は初めてだ。




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