【加筆・修正中】恋した君に愛を乞う
「俺の婚約者だってこと、一部の重役には言ってあるんだよね。まあ信頼できる人達だしここは問題ないかなと思うんだけど、秘書室の子達がね……。彼女らの情報網はホント侮れなくてさ」
「それと私が社長の家に行くっていうのは……」
「俺、敵が多いから。婚約者なんて格好の標的じゃない。君は佐伯のお嬢様でもあるし、何かあってからじゃ遅いからね」
「……何かって、そんなに誰かの恨みを買ってるんですか……?」
「さあ。それはどうかな。でも皆に好意的に思われてる訳じゃないよ。ライバル企業もいるし、俺が社長になって面白くない人達もいる」
確かにAgresぐらい規模が大きくなると、自然と敵も増えていくものなんだろうか。
それはあからさまに敵意を見せる人達だけじゃなく、見えないところでも。
「もちろん君がここで一人で住むのではなく、実家に戻るのなら俺と住まなくてもいいよ?」
「……それは出来ないってわかってるんですよね……?」
社長には義理の母と上手くいっていないと言ったし、私のことは調査済みなら当然知っているはずだ。