【加筆・修正中】恋した君に愛を乞う
というか、計画通りに進まないことがない、とか言えちゃうぐらい強気なところはやっぱり一企業を背負う人なんだなあ、と思ってしまった。


「……わかりました。私には選択肢はないことも、社長が軽そうに見せておいて実は策略家だってことも」

「えー、俺軽そうかなあ?」

「女性の立場からするとそのように思われるのも仕方ないかと」


しばらく口を挟まず静観していた藤堂さんが、私の擁護に回ったので驚いたけど、社長は私以上に驚いたらしくかなりの勢いで後ろに控えている藤堂さんへ目を向けた。


「なに、何で急に2対1?何で俺が悪者みたいになってるの?」

「何度も言いますが、普段の行いかと」

「だから普段から悪いことなんてしてないって!俺、絶対君にろくでもない奴って思われてるよね。ホント心外」

「ふふ、そんなこと思ってませんよ。すこーし軽いかなあとは思ってますけど」

「えー……」


今日初めて会って、初めて話したのに何だかすごく打ち解けて話せている気がする。
どちらかというと私は初対面の人と打ち解けるのには時間がかかるタイプなのに。
もうこれは明らかに社長のペースに乗せられているからなんだけど。
それがなぜか嫌でないのは、社長のどこか憎めない、不思議な雰囲気のせいなんだろうと思った。
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