【加筆・修正中】恋した君に愛を乞う
「ううん違うわ。あなたの予定を聞きたいの。歓迎会をしたいなって思ってて」

「え……、わ、私の、ですか?」

「ふふ、当たり前じゃない。他に誰がいるの?」


少し首をかしげてにこっと笑う阿川さん。
古株ということだけれど年齢は不詳だ。
ただ他の秘書さんが教えてくれた情報だとそろそろ勤続10年になるらしいけど、私と同期と言っても疑う人はいないだろう。


「私のでしたらあいてると思うんですけど、ちょっと聞いてみないと……」

「聞く?聞くって誰に?もしかして彼氏さん?」

「あっ、いえ、私、彼氏はいないので!」

「そうなの?可愛いのに。誰か紹介しましょうか?」

「いえっ、大丈夫です!今はお仕事に集中したいので。ただ週末のスケジュールだけ藤堂さんに確認してもいいですか?」

「ええ、もちろん。何もなければいいけど」


いじめられるのは想像してたけど、良くしてもらえるのは想定外だ。歓迎会なんてかの字も思い浮かばなかった。
他の秘書さん達と話す機会もほとんどないし、まだ1、2度挨拶しただけの方もいる。
そもそも担当の重役よっては海外との電話会議や出張などでほとんど不在で、秘書室連絡会議がある時だけここに来るらしい。
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