【加筆・修正中】恋した君に愛を乞う
「社長とは上手くいってて……、というか気を使ってくださっているので問題ないんですが……。阿川さんから歓迎会をしてくださるというお話がありまして」

「歓迎会?……そうですか。佐伯さんが行きたくないと思うのでしたら私から上手く話しますよ」

「あっ、いいえ!逆です。とってもよくしていただいているので行きたいなと思っているんですが、週末なので社長のスケジュールもありますし藤堂さんに確認させていただこうと思ったんです」

「行きたいのですか?」

「はい」

「……そうですか。週末は接待が入っていますが佐伯さんの同行は不要ですので大丈夫ですよ」

「ありがとうございます。では歓迎会に参加させていただこうと思います。お忙しいところ失礼しました」


室長の執務室を後にする時、藤堂さんは私に何か言いたげな感じだったけど、結局話しかけられなかったのでそのまま出てきてしまった。

話している間、藤堂さんは終始いつものポーカーフェイスで、私が歓迎会に参加したいと言った時だけ一瞬、怪訝そうな顔をした気がしたけれど何か気になることでもあったんだろうか。


「……気のせいかな?」


歓迎会は別に悪いことではないし。
藤堂さんは私が行きたくないと思っていたようだから訝しげに思っただけなのかも。

「阿川さん、大丈夫です。参加できます」

「よかった。じゃあみんなにも伝えておくわね」

「はい。ありがとうございます」

「いいのよ。きっとみんな楽しみにしてるはずだから」

「そうなんですか……」


私が歓迎会に参加できると聞いた阿川さんは少しテンションが高めになったようだった。

そこまで歓迎されていると思っていなかっただけに、阿川さんの張りきり具合は予想外だったけど、皆さんも私と親睦を深めたいと思ってくれていたのはとても嬉しかった。
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