【加筆・修正中】恋した君に愛を乞う
***
週末。
無事に仕事を終え、阿川さん、そして他の秘書さん達に連れられて駅に程近いダイニングバーへと向かっている。
秘書の皆さんは業務中は派手すぎず清潔感のあるメイクをされているけれど、仕事終わりに化粧室へ寄って出てきた皆さんは別人だった。
目元、口元はくっきりと、ばっちりメイクされていて化粧崩れなんて許しません!とばかりに美しくファンデーションが乗せられた肌。
控えめなメイクをいつも通り控えめに直してきた私とは大違いで、明らかに私は浮きまくっていた。
やっぱり秘書ともなると美意識が違うんだなと感心してしまう。
「こっちは8人、あちらも8人だけど……。もしこの時間で先に来ていなかったら今日はハズレね」
阿川さんがふう、とため息をつきながらそう呟き、それを聞いていた皆さんも相槌をうっているけど。
『こちら』はわかるけど『あちら』とはどこの誰のことなのか。
私以外は不思議に思っていない様子なので、皆さんは他にも参加者がいることをあらかじめ知っていたと思われる。
「阿川さん、あの……」
「何?どうかした?」
「いえ、その……すみません、先ほど少し聞こえてしまったんですけど……。今日の歓迎会ってここにいる皆さんだけじゃないんでしょうか……?」
知らないのは私だけっぽいので、もしかしたら聞いていたのに忘れてるだけかもと思い、こそっと阿川さんへ話しかける。
「ふふ、そうよ。驚かせようと思って黙ってたんだけどね。今日は他に8人来る予定になってるの。友人にね、新しく秘書が一人増えたって話したらみんなで歓迎会しようってことになってね」
「友人って阿川さんの……?」
「そうよ。ただ他の7人には私も今日初めて会うんだけど」
「そ、それって……」
「あ、先に来て待ってたみたいよ。ほら、あの彼が私の友人」
そう言って阿川さんが目を向けた先にいたのは、店の入り口付近で佇む背の高い男の人だった。
週末。
無事に仕事を終え、阿川さん、そして他の秘書さん達に連れられて駅に程近いダイニングバーへと向かっている。
秘書の皆さんは業務中は派手すぎず清潔感のあるメイクをされているけれど、仕事終わりに化粧室へ寄って出てきた皆さんは別人だった。
目元、口元はくっきりと、ばっちりメイクされていて化粧崩れなんて許しません!とばかりに美しくファンデーションが乗せられた肌。
控えめなメイクをいつも通り控えめに直してきた私とは大違いで、明らかに私は浮きまくっていた。
やっぱり秘書ともなると美意識が違うんだなと感心してしまう。
「こっちは8人、あちらも8人だけど……。もしこの時間で先に来ていなかったら今日はハズレね」
阿川さんがふう、とため息をつきながらそう呟き、それを聞いていた皆さんも相槌をうっているけど。
『こちら』はわかるけど『あちら』とはどこの誰のことなのか。
私以外は不思議に思っていない様子なので、皆さんは他にも参加者がいることをあらかじめ知っていたと思われる。
「阿川さん、あの……」
「何?どうかした?」
「いえ、その……すみません、先ほど少し聞こえてしまったんですけど……。今日の歓迎会ってここにいる皆さんだけじゃないんでしょうか……?」
知らないのは私だけっぽいので、もしかしたら聞いていたのに忘れてるだけかもと思い、こそっと阿川さんへ話しかける。
「ふふ、そうよ。驚かせようと思って黙ってたんだけどね。今日は他に8人来る予定になってるの。友人にね、新しく秘書が一人増えたって話したらみんなで歓迎会しようってことになってね」
「友人って阿川さんの……?」
「そうよ。ただ他の7人には私も今日初めて会うんだけど」
「そ、それって……」
「あ、先に来て待ってたみたいよ。ほら、あの彼が私の友人」
そう言って阿川さんが目を向けた先にいたのは、店の入り口付近で佇む背の高い男の人だった。