【加筆・修正中】恋した君に愛を乞う
「あ、わ、わ、わたしのスカート……脱がしました……?」
「うん」
「ええっ!」
ガバッと起き上がり、慌てて肌触りのよいタオルケットを腰回りに手繰り寄せる。
はっきり言って昨日のことを全然思い出せない。
最後の記憶は、社長が華麗に登場して私を助けてくれたこと。
その後どうなったらこの状況になるのか見当もつかず、血の気がサーっと引いていく音がするようだ。
しかもよく見れば、床にくしゃくしゃになって捨てられたスカートのそばには、これまたくしゃくしゃになったストッキングが……。じゃあ私は今何を着ているの……。
なんで?
どうして?
何があった?
と自問自答しながらおそるおそるタオルケットの中を確認すると。
「ああ……、これしかはいてない……」
もうだめだ、何かあったんだと思い、情けない声を出して大きなため息をつく。
「……ぶっ!あははは!」
うちひしがれる私をよそに、社長が突然大爆笑し始めた。我慢できないとでもいうかのように、ベッドの上で転がって笑い続ける社長。
ここまで笑われる意味がわからない私はその様子を呆然と眺めていたけど。
「嘘だよ。何にもなかったよ、残念ながら」
「え……、ほ、ホントですか……?」
「うん。ホント。そのスカートだって君が脱いだんだよ。まだ脱ごうとするから、俺はだめだよ、って必死で止めてたんだけどね」
「わ、私が自分で……?」
どうしよう。まったく覚えてない。
自分で脱いで醜態をさらすのなら、いっそのこと脱がされてた方がよかったとさえ思えてくるほど恥ずかしい。