【加筆・修正中】恋した君に愛を乞う
「社……じゃない、あ、暁斗さん、手を……」
「ねえ美緒、せっかくだからもっと仲良くなろうか」
「え?」
「いや、改めて見ると今の君の姿、そそられるなあって思って」
「ひっ……!」
私が腰回りに手繰り寄せているタオルケットが突然ぐいっと引っ張られ、焦って変な声が出る。
焦る私をよそに、意地悪な笑みを浮かべて何度も引っ張ってくる暁斗さんはとても楽しそうだ。
「ホントさあ、昨日の俺を褒めてほしいよ。あつーい、とか言って玄関に入った途端に脱ごうとするから美緒のベッドまで連れてきて、まだ脱ぎたがるから添い寝して落ち着かせてさ」
「ご、ごめんなさい……!」
「それに生足を絡み付けてくるんだよ?俺の理性の疲弊ぶりときたら……」
「本当にごめんなさい!」
昨日の知らない自分を語られるのがこれほど恥ずかしいとは……!
穴があったら入りたいし、今すぐ消えてしまいたい。
「美緒は外でお酒飲むのはしばらく禁止ね。合わないのかもしれないから、俺と家で飲んで練習しよっか」
「練習って、社長と一緒にお酒を飲んで鍛えるってことですか?」
「うーん、鍛えるというより、ほどよく緊張感を持つ、みたいな。だって昨日の美緒だと俺が行かなかったら一緒に寝てたのは剣崎だったよ」
「そ、それはないかと……。私みたいに地味なのはお好きではないような」
「地味?誰が言ったの、それ」
「誰って、言われたわけではないんですけど……」
地味なんて言葉は誰かに面と向かって言う言葉ではない気がする。だから直接言われたことはないんだけど、自分ではそう評価している。