【加筆・修正中】恋した君に愛を乞う
女性は暁斗さん自身を見ない、って言ってたけど暁斗さんが心を開かないなら地位や財産に惹かれるだけの人が集まるのは仕方ない気もする。
「そんなに怒らないで美緒。サイテーなのはわかってるけど、今はこれが一番楽なんだ。でも君にしてみたら同じ女性として腹が立つんだよね。……ごめんね?」
「……私に謝られても困ります……」
なんだろう。どうしてこんなにもどかしい、何とも言えない気持ちになるんだろう。
その理由はきっと、これまで暁斗さん自身を知りたかった人もいたと思うのに全否定するなんてひどいという思いと、私のことも心の底ではそう思っているんだろうと思うから。
「でもね、君のことはもっと知りたいよ。だけど知りたくないとも思ってる。それに、俺を知られるのも怖いと思ってるんだよね」
「怖い、って何がです……?」
「えー、そりゃあ俺の外面だけ見て寄って来られるのが嫌とか言っておいて、結局中身も大したことないじゃん、って思われるかもしれないでしょ?そうなったら恥ずかしいし」
「ふふ、そんなことないと思いますよ。私もまだ暁斗さんのことほとんど知らないけど、心配性っていうか、優しい人なんだなって思ってますよ」
「ちなみにそれはなんで?」
「だってひどい人なら、私のこと助けに駆けつけてくれたりしませんよね?」
おぼろげな記憶だけど、あの時の息の上がり具合からみて、相当急いで駆け付けてくれたと思う。