【加筆・修正中】恋した君に愛を乞う

脳裏をよぎる幼い頃の記憶。
きっかけは間違いなくあるけれど。


「ごめん。言いづらいよね。変なこと聞いちゃったね」

「い、いえ、ただ、その……思い出すといつも苦しくなってしまって……。でも誰かに話したことはないので、聞いてもらったら少し変わったりするのかな……」


暗くて狭いところがダメなんて子供みたいで恥ずかしいと思うけど、発作のような症状が出るので隠しようがなかった。
けれどそんな突然取り乱した姿を見たにも関わらず、暁斗さんは何も変わらずいつもと同じ態度で接してくれている。

引かれてしまっても全然不思議じゃないのに、今こうしている間も時折手を握ってくれたり、背中をぽんぽん、と撫でてくれたりと、暁斗さんがいてくれて本当によかったと思う。


「私……、子供の頃、悪いことをしたら蔵の中に入れられてたんです。お仕置き、って言われて」


じめじめとして、むっとこもった空気が立ちこめる真っ暗な蔵の中。
使わなくなった古いたんすや、私の背丈ほどもある人形や、その他よくわからない様々なものがところ狭しと置かれていたのを覚えている。
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