【加筆・修正中】恋した君に愛を乞う
「よく似合ってるよ、その姿。綺麗過ぎて、ちょっと動揺したぐらい」
「え……、ホントですか……?」
「うん、ホント。可愛いのは知ってたけど、こういう大人っぽいのも似合うね」
「じゃあ、似合わないからがっかりしてたワケじゃないんですか?」
「え?まさか。がっかりなんてするわけない。逆だよ。本気で美緒が綺麗で見とれたんだ。今すぐ抱きたいって思ってた」
「え、ええっ、そ、そんな……」
「ははっ、そんなに怯えないでよ。半分冗談だよ」
「は、半分……?」
そうこう話しているうちに社長室のあるフロアに到着し、ドアが開くと暁斗さんは「もう一つ準備がある」と言って私についてくるよう促した。
社長室へ入るとすぐに藤堂さんがやって来て、手にしていた箱を暁斗さんへ手渡す。
「今日はね、ウチの取引先の高級宝石商の記念パーティなんだ。最近そこがカジュアルラインブランドを立ち上げたんだけどそれをウチが専売で扱い始めたこともあって、美緒にそこの商品を付けていってほしいんだ」
そう言って藤堂さんから渡された藍色の箱を開けると、中にはキラキラと眩しく光を反射する、可愛いらしくシンプルなデザインのネックレスが入っていた。
「ちょっとじっとしてて」
「は、はい……」
私を鏡の前に連れていくと、暁斗さんがネックレスを手に私の後ろに回る。
背後に気配を感じると、途端にドキドキと心臓が騒がしくなっていく。