【加筆・修正中】恋した君に愛を乞う
「あ、あ、暁斗さん……!いっ、いま何を……」
「何って、キス?悪い虫が寄ってこないようにおまじない、みたいな?」
「お……おまじない……?」
「そう。今日の美緒は絶対危ない。パーティなんて堅苦しい部分もあるけど、アルコールが入る分、隙も生まれやすくなるからね」
「暁斗さんは買い被りすぎだと思うんですけど……」
「いや、そんなことはない。俺が我慢できないぐらいなんだから。いいかい?絶対知らない人についていかないこと。何を言われても絶対、だよ?」
「知らない人って……。そこは子供扱いなんですね……」
言いつけを守らない子供に接するような優しい口調で私を諭す暁斗さん。彼にとっては私をからかっているつもりなのかも。
そんないつも通りの軽い暁斗さんを見ていると、ドキドキ意識してるのは私だけかと、胸の奥にちくんと針が刺さったような痛みが走る。
私はまだ触れられたうなじが熱くて、暁斗さんの唇の感触を思い出すだけで顔が火照りそうなのに。
こんな風にからかわれてしまうと、我慢できないとか綺麗だから動揺したとか、結局いっぱい褒めてくれたのも社交辞令なのかなと、どんなに褒められても手放しで喜べない私がいた。