【加筆・修正中】恋した君に愛を乞う
「あいつのことだから絶対に美緒を見つけて話し掛けてくる。でも絶対相手にしないこと。いいね?絶対だよ?」
「わかりました。でも無視は出来ないので挨拶だけで……」
「無視していいよ。俺が許す」
「ふふ、周囲の目もありますのでそれは難しいです。今度は暁斗さんにご迷惑掛けないように気を付けますね」
「いや、俺に迷惑とか気にしなくていいから。とにかく絶対ダメだよ。もし挨拶以上に話したらお仕置きだよ」
お仕置きってなんですか、と聞く前に、暁斗さんは慌ただしく会場の中心へと戻ってしまった。
遠くからこうして眺めていると、暁斗さんの周りには笑いが絶えず、取っ付きにくそうな年配の方とも親しげに話している。
まるで暁斗さんの周りだけ明るさが増しているかのようだ。
そしてそこへ惹き付けられるかのように代わる代わる色んな方がやって来て、この分だと暁斗さんが解放されるのは会が終わるまでは無理だろう。
「みーおちゃん」
「あ……、剣崎さん……。先日はご迷惑をおかけしました」
「迷惑なんて思ってないよ。でも俺のこと忘れないでいてくれて嬉しいな」
ついさっき相手にするなと暁斗さんに言われたばかりの剣崎さんに声を掛けられ、その上親しげに名前で呼ばれてしまい、否応なく警戒モードへと移行する。
「偉いね、健気にあいつのこと見守ってるの?」
「これが仕事ですので、健気というわけではないです」