【加筆・修正中】恋した君に愛を乞う

「美緒ちゃん、今日の君の装いはあいつが決めたの?」

「いえ、違います。ただ、こういう雰囲気で、という指示はありましたが」

「そっか。今日はこの前の合コンとは全然違う雰囲気だね。今日は可愛いより綺麗と言ったほうがいいかな」

「そんな……」


剣崎さんは先日と同様に屈託なく話しかけてきて、この人はこういう人懐っこい感じなんだと改めて思った。
特に何が嫌とか私はあまり感じないけど、暁斗さんが話しちゃダメだと言っていたし早めに戻らなきゃ、と思いつつちらっと後ろを振り向く。

少し離れたところで暁斗さんがまだ先程の美女と話している。しかも今度は他に誰もおらず二人だけで。

ここは仕事の席と変わらないし、私がこんなに気にするのもおかしな話なんだけど。
どうしてもよくわからない嫌な感情が胸の奥でモヤモヤと立ち込めている。


「美緒ちゃん、何か飲む?」

「いえ、私は……」

「ふふ、大丈夫、お酒を飲ませたりしないよ。美緒ちゃん弱いみたいだし。ちょっと待ってて」


そう言って剣崎さんは飲み物を取りに向かう。
もしかしたらいまのうちにここを離れた方がいいのかも、と思ったけどそんな失礼なことは出来るはずもない。




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